生理不順

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生理不順

月経の悩みで一番多いとされている生理不順は、生理の周期や期間に乱れがあることをいいます。 基本的に25~38日周期であれば正常とされていますが、1週間くらいズレがある場合もほとんどは問題はありません。

これより短い周期で起こるものを頻発月経、逆に月経周期が39日以上のものを稀発月経、3ヶ月以上こないものを無月経と呼びます。また、生理期間が1~2日で終わる過少月経、逆に1週間以上続く過多月経があります。
生理は女性ホルモンによってコントロールされるため、その分泌に関わる脳下垂体、視床下部、卵巣などに異常があるとホルモンバランスが崩れて生理不順の原因となります。

10代はまだ体が成熟しきっていないため、生理不順がおきやすいので多少不安定でもさほど心配はいりません。 しかし、初潮から数年経っていて生理不順が見られる場合はできるだけ早い婦人科の受診をおすすめします。

2.症状と原因

頻発月経

月経周期が24日以下、1ヶ月の間に2~3回生理が来る状態です。ストレスなどによるホルモンバランスの乱れや 卵巣機能の低下が原因とされています。頻発月経の原因は主に3つです。

  • 排卵から次の生理まで(黄体期)が短い
  • 排卵までの期間(卵胞期)が短い
  • 排卵がない(無排卵周期症)

1つ目と2つ目の原因は主にホルモン分泌の乱れです。卵胞期が短いこと自体は病気ではありませんが、 黄体期が短い場合はそのことで不妊症や流産の可能性につながります。3つ目の無排卵周期症は、出血があるのに排卵が 起こっていない状態で、少量の経血量が長く続くのが特徴です。思春期や更年期に多く、何らかの病気で卵胞がうまく育たない、 排卵に障害があるなどの原因があります。

稀発月経

月経周期が39日以上、3ヶ月未満の状態です。3ヶ月以上来ていない状態を「続発性無月経」といいます。
原因は急激なダイエットやストレスによるホルモンの乱れだけでなく、子宮や卵巣、甲状腺などにも病気が潜んでいる可能性があります。3ヶ月以上生理が来ていなかったらできるだけ早く婦人科を受診しましょう。3ヶ月以上生理が来ていなくても、初潮から2~3年以内であれば様子を見ても問題ない場合があります。

過多月経

生理が1週間以上続く、経血量が多い、血の塊が混じる状態です。
過多月経はホルモンバランスの乱れだけでなく、婦人科疾患によって引き起こされている場合があるので一度受診が必要です。また、出血量が多いため貧血になりやすいです。

過少月経

生理が3日以内に終わる、経血量が少ないという状態です。
主な原因の1つ目は年齢と共に減る女性ホルモンの影響、2つ目はホルモン分泌の乱れです。1つ目は年齢と共にエストロゲンの分泌量が減り、子宮内膜が少なくなること、2つ目は子宮内膜を剥がす作用のあるプロゲステロンが十分に出ていないことが理由です。2つ目のプロゲステロンの不足は、子宮内膜の増殖につながり、子宮体がんの原因になります。

産後の生理不順

産後は育児に追われるためストレスや睡眠不足、生活リズムの乱れによって生理が再開した後もしばらくは生理不順になりやすくなっています。
生理が再開してから半年ほどは生理不順があっても様子を見て大丈夫ですが、痛みが強い、出血量が多い、周期と期間に異常があるなど気になる症状がある場合はできるだけ早く産婦人科を受診しましょう。

3.検査

  • 基礎体温の測定・・・基礎体温の変化で排卵の有無を調べます。
  • 超音波検査・・・子宮や卵巣に異常がないか調べます。
  • 血液検査・・・ホルモン分泌に異常がないか調べます。
  • 細胞診検査・・・がんの疑いがある場合に行います。
  • 頭部MRI検査・・・脳下垂体に異常がないか調べます。
  • 染色体検査・・・性に関わる染色体に異常がないか調べます。

4.治療

頻発月経の場合

月経周期を安定させるためにホルモン製剤やピルなどが処方されます。 また、妊娠希望で排卵がない場合は排卵誘発剤が処方されます。

稀発月経の場合

まずは出血を起こさせます。一度出血するとその後は安定して生理がくる場合もあります。 妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使用、妊娠を希望しない場合にはホルモン製剤を使用します。

過多月経の場合

稀発月経と同じく、ホルモン分泌の乱れの可能性があります。それ以外にも子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、 子宮内膜増殖症、子宮がんなどが見つかる可能性があります。ホルモン分泌の異常ならホルモン製剤、 婦人科疾患の場合は病気に応じた処置を行います。

過少月経の場合

ホルモン分泌に異常があればホルモン製剤、子宮や卵巣に異常がある場合は手術を行う場合もあります。 排卵が来ていなければ排卵誘発剤が処方されます。

5.まずは基礎体温をつけましょう

基礎体温

基礎体温とは、起床時などの決まった時間に毎日体温を測って記録する体温です。
女性はホルモンバランスの変化で基礎体温が変化するので、排卵日の予測や月経の予測に役立ちます。 また、異常があった際にも受診の際に記録した基礎体温を持参することで、医師側も分析がしやすくなり、より 正確な診断を行うことができます。
生理不順には様々な理由がありますが、まずは基礎体温を測る習慣をつけて みましょう。排卵の有無やホルモンバランスの乱れの有無の確認ができるだけでも大きな安心につながります。

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